■アナタの声が、今も。■
[NO genre]






助けて、って貴方の声が今も鼓膜の奥で響いてる。

想い出すたびに、僕の頬には涙が伝う。

唇を噛み締めて、無力さを噛み締めて。

ごめん、と呟くことしかできない。

こんなに近くまで、貴方の声は響いていたのに。

今も響いているのに。

手は届いたはずなのに。



涙が地面に落ちて弾けた。



ごめん。

助けられなくて。

何の力もなく、何の智恵もなく。

貴方の声を聞くことしかできなくて。

ごめん。



ごめんね。





麟姫
2004年10月29日(金) 20時26分01秒 公開
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■作者からのメッセージ
新潟県中越地震で亡くなった方々の話を聞く度に、悔しくなる。
私は新潟在住だけれど、幸か不幸か、安全なところにいるから。
ボランティアにすらいけない無力さ。
救えるはずの手を、見捨ててしまう弱さ。
悔しくて、もう、どうしていいのか分からなくなる。

助けて、という声は、確かに私のところまで届いているのに。

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