■空想の夢と現実(第六章)■
[小説]
あの男は静かに口を開いた
「千年も前になるが・・・・・・、私が働いている城、そこであった残酷な話だ」
リロは、深呼吸をして聞いた。
俺はただただ話を聞くだけ
本当に心配だ、リロの過去に何があったのだろう?
そう―――今からわかる、例え最悪な方向に向いても―――――――

そしてまたあの男が言った。

「その城には王様がいてね、王女がいて・・・・・・・
 だけどある日、その王女様が一人の男に恋をしてしまった
 王様にばれないように二人は会い続けた」
リロがおそるおそるきいた。
「何で秘密なの?」
「バレたらその男は死刑だから」
「シケイ?」
「死ぬ・・・・って、いったらわかるかな?」
「・・・・シヌ・・・・・・・・・・・・・・・」
「そう、殺されてしまうんだよ」
リロは、必死な顔をして話を聞いた
「で、続きなんだが、当然王女となったら金持ちの城からのお誘いが来る、
 だから、王女はその男とかけおちしたんだ」
「カケオチ?」
「一緒に逃げるってことだよ」
「ふぅ〜ん・・・・・・」
「逃げたのはいいんだが、兵士に見つかってしまい、
 一般人がまぎれこんだと思って、射殺してしまった・・・・・」
「シャサツ・・・・・・・」
「打たれたのか・・・・・」
俺はしぶしぶ言った。
「あぁ、打たれた・・・・・・、だが打たれたほうが王女のほうだったんだ」
「何だって!?」
「王女は、城、いや、町中の人気者、王様より王女のほうが人気あったから、
 その王女が死んだといったら、いや、城の評判が悪くなってしまう
 だから考えた“みがわりを造ったらいいんだ”とね」
「みがわり・・・・・・・・、ちょっと待て、その打った兵士はどうなったんだ?」
「ご想像のとおり、殺されたよ」
「・・・・・・・・・・・っ」
「リロ?大丈夫?」
俺は言った。
さっきっから黙ったまんまだったからだ
「だけどね、造るのはいいんだけど、その頃は科学、知識が発達してなくて
 千人中一人の確率で造れると判明して、みがわり、つまりクローンだ」
「・・・・クローン・・・・・・・・・・・」
「そう、で、何とか造れたんだがそのためにはある“ギセイ”が必要なんだよ」
「ど・・・どんな?」
「・・・・・・っ」
「・・・・・・、リロまだ続きを聞きたい?」
男が静かに言った。
「・・・・・・続けて・・・・・・・・・」
リロは下をむいたまま言った。
「わかった・・・・・・・・・・・・・・・・」
男がまた口を開いた
「“ヒト”だよ」
「人?・・・・・・なんで人がいるんだ?」
「ヒトがほしいわけじゃない、その“肉体”だよ
 ・・・・・つまり、“入れ物”がほしいわけなんだよ・・・・・」
「・・・・どうやって、造るの?」
「聞きたい・・・?」
男が静かに笑った
「な・・・なんでお前は、そんなに笑ってられるんだ!?
 おかしいじゃないか、今聞いている限りだと、人が死んでるんだぞ!」
「それがどうした、俺には関係ない」
キッパリという男に俺が何かが切れてしまった
「・・・・・・お前なぁっ」
俺が怒ろうとしたときに、リロが俺の服を引っ張った。
「・・・・続けて・・・・・・・・・・」
俺は怒って言ってしまった。
「なぜ止める?それまでして、聞きたいのか!? リロ!?」
「・・・・・・・・・・・・っ
 トーヤの気持ちは痛いほどわかるよ?だけど今いったって、しかたがない
 聞いてみなきゃこの続き、何がまっているのかわからないじゃない・・・・・」
震えていうリロ、とっても手が震えていた
「わかった・・・、話せよ」
「・・・・ヒトをとらえて、顔を変えてやったまでだ」
「顔を!?」
「だけど、どれも、違う、どこか違う、そんな時、お前を見つけた・・・・
 そう、リロはその完成品だよ」



『○月◇日
その言葉を聞いた瞬間、俺達は固まってしまった
もう、引き戻せない―――――
戻せない―――――――――――――――
そう、聞いてしまったから
以前の関係をたもてるのか・・・・・・?』
夏樹
2003年09月20日(土) 14時31分28秒 公開
この作品の著作権は夏樹さんにあり無断転載は禁止です
■作者からのメッセージ
いよいよ。最終章に近づいてます(ぇ
まぁ、最後までおつきあいください。
リロが落ちこんじゃった――――vv
やっばぁ―――vvv
トーヤが怒っちゃったし、ウサットさん何考えてんスかぁ―――!?(お前が書くんだよ)

ではでは、第七章でぇ〜

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読んでるときにリロの正体は薄々感じましたが、衝撃的な展開ですね。 まりの(管理人) 2003-09-26 23:59:36
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